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プロが選ぶ、品質への飽くなき探求:オーム乳業様が築く信頼と未来

2025年09月26日

オーム乳業株式会社

プロが選ぶ、品質への飽くなき探求:オーム乳業様が築く信頼と未来

オーム乳業株式会社様は、九州産の新鮮な生乳を主原料とし、長年にわたり培ってきた独自の製法とノウハウを活かし、高品質な乳製品を製造・提供している企業です。特に生クリーム「ピュアクリーム」は国内外のプロフェッショナルから高い評価を得ており、多くの菓子店やレストランで愛用されています。地元福岡に根ざし、地域で生産された生乳を積極的に利用し、学校給食への提供も行うなど、地域社会との繋がりを大切にしています。品質への徹底したこだわりと、常に製品に磨きをかけ続ける姿勢が、オーム乳業の揺るぎない企業価値を形成しています。

<聞き手=高橋宏輔(学生団体GOAT編集部)>


【親会社からの指名と品質への集中】

私は、自ら手を挙げて社長の座に就いたわけではありません。親会社の方々から「社長として任せたい」という形で指名を受け、現在の職務に就きました。これは、私のこれまでの仕事ぶりや会社への貢献が評価された結果であると認識しており、大きな責任を感じています。

当社は中小企業であり、親会社が存在するとはいえ、自由に使える資金には限りがあります。そのような状況下で、私たちが進むべき道は明確です。それは、創業以来大切にしてきた「品質にこだわる」という姿勢をさらに磨き上げ、徹底的に追求していくことです。これこそが、限られた資源の中で会社が成長し続ける唯一の方法であると確信しています。

洋菓子専門店の世界において、オーム乳業は高い評価を得ています。私がこの会社に来て以来、お客様から「美味しくない」と言われたことは一度もありません。これは、品質に対する揺るぎない自信の表れであり、社員一同の誇りでもあります。

取材担当者(高橋)感想

伊與田社長が親会社からの強い指名で社長に就任されたというお話に、長年の信頼と実績を感じました。限られた状況下で、会社の「強み」である品質に集中し、それを徹底的に磨き上げるという経営判断は、まさにリーダーシップの本質だと感じます。この会社が「美味しくないと言われたことがない」と自信を持って言える背景には、並々ならぬ努力とこだわりがあることが伺えました。

取材担当者(高橋)感想

【地域に根差した「ピュア」なものづくり】

私たちの製品づくりは、地元九州産の生乳を使うことから始まります。地元を大切にし、地元に密着するという哲学は、製品の品質だけでなく、会社の根幹を支える考え方です。製品は、可能な限り添加物を使用せず、「ピュアなもの」を追求しています。全ての製品が、完全に無添加とは言いませんが、生乳や生クリーム本来の味を損なうような添加物や、かさ増しのための原料の使用は極力行いません。

このような製法は、一般的な大量生産に比べると非効率的で難しい部分も多くありますが、だからこそ、私たちは殺菌方法や製法など、あらゆる工程においてさらなる改善と追求の余地があると信じ、日々研究を重ねています。お客様に納得してお金を払って購入していただくためには、この品質へのこだわりが不可欠です。私たちの製品は大手メーカーのものと比較して価格が高い傾向にありますが、これは生産量や製造工程において厳密な管理を行っているためです。

大量生産ではなく、少量でもきちんとしたものを作る。これが私たちの生きる道です。価格競争で大手と渡り合うことはできませんが、品質において妥協しないことで、お客様の信頼を勝ち得ています。この品質への追求は、私一人だけでなく、全社員が共有する価値観であり、当社の強みとなっています。

オーム乳業の生クリームは、九州の生乳を使用しているため、その特徴である牛乳らしいすっきりとした軽やかな味わいが特徴です。また、時間が経っても白さを保つ「色の白さ」も、当社の製品が持つ大きな特徴の一つです。この特性は、ケーキの色味にこだわりを持つ菓子職人にとって、非常に重要な条件となります。新鮮な生乳を製品化するために、当社の工場から20km圏内、遠くても50km圏内という近隣の酪農家から生乳を調達しています。生乳は時間が経つと風味が落ちるため、できるだけ早く製品に加工することが、高い品質を維持するためには不可欠であり、この恵まれた立地が当社の強みとなっています。

取材担当者(高橋)の感想

「ピュアなものづくり」へのこだわりは、地元への貢献、そして製品の厳密な品質管理へと繋がっていることを知り、深く感銘を受けました。特に、生乳の鮮度を保つための立地の優位性や、菓子職人が求める「白さ」といった細部にまで配慮された製品特性は、プロのニーズを深く理解しているからこそだと感じます。価格競争ではなく品質で勝負する姿勢は、これからの社会で企業が生き残るための重要な視点であり、就活生にとっても大きな学びとなるでしょう。

取材担当者(高橋)の感想

【変化する市場と新たな販路の開拓】

近年、牛の飼料価格の高騰や物価上昇、そして日本の人口減少により、食品業界全体の消費は伸び悩んでいます。ケーキ一つとっても価格が上がり、お客様の所得が伸び悩む中で、消費量は減少傾向にあります。私たちも心苦しいながら製品の値上げを実施しており、以前は月に300本使っていたクリームが250本になるなど、お客様の消費量減少を実感しています。

このような厳しい市場環境の中で、私たちは多角的な取り組みを進めています。固定費をまかなうためのベースの利益として、親会社の仕事の一部(下請け業務)も引き受けています。同時に、自社のウェブショップを立ち上げ、新たな販路の開拓にも注力しています。ウェブショップはまだ規模は小さいものの、着実に成長を続けており、特に個人でカフェを経営されている方や、菓子教室を開いている方など、いわゆる「セミプロ」と呼ばれる層からの注文が増加しています。

これらのセミプロの方々は、ガソリン代などのコスト増により材料問屋からの少量の配達が難しくなっている状況を受け、インターネットを通じて当社の製品を購入するケースが増えています。ウェブショップは立ち上げから3~4年で120%の伸び率を記録しており、当社の品質へのこだわりが、品質の高い製品を求める新たな顧客層に響いている証拠であると考えています。今後は、ウェブショップを通じて地域を選ばず、東京や大阪といった大都市圏のお客様にもアプローチできるよう、広め方を模索している段階です。

取材担当者(高橋)の感想

物価高騰と人口減少という二重苦の中、市場の変化に迅速に対応し、新たな顧客層を開拓している柔軟性に感銘を受けました。特に、ウェブショップを通じて「セミプロ」と呼ばれる個人事業主のニーズに応えている点は、ニッチな市場でも品質と利便性で勝負できる可能性を示していると思います。社会情勢に合わせて常に試行錯誤を続ける企業の姿勢は、就活生が働く上で非常に参考になるでしょう。

取材担当者(高橋)の感想

【若者へのメッセージ:責任と仕事のやりがい】

社会に出る若者の皆さんには、まず何よりも「仕事に対する責任を果たすこと」を大切にしてほしいと願っています。特に食品業界では、私たちの作るものが直接「人の口に入る」ため、その責任は非常に重いです。与えられた仕事を一つ一つ丁寧に、そして真摯にこなしていくこと。これが、社会人としての信頼を築き、最終的には自分自身の自信へと繋がっていくはずです。責任感が強すぎると時に苦しくなることもありますが、フラットな気持ちで職務を全うすることが重要です。

食品業界は「地味」だと感じられるかもしれません。しかし、人間にとって「生きていくために必要なもの」を、体と心のために提供しているのが、この業界の仕事です。まさに、私たちの生命を支える最も基本的な部分を担っています。そして、その上に「楽しむため」という喜びの段階があります。

お客様が美味しいものを食べた時に感じる喜び、そしてその美味しいものを提供した結果として、感謝され、喜ぶ顔を見ることができる。これこそが、この仕事の大きな醍醐味であり、何物にも代えがたいやりがいです。地味に見えるかもしれない食品業界ですが、人々の生活に深く貢献し、喜びを生み出すことができる、非常にやりがいのある分野であることを、ぜひ多くの若者に体感してほしいと願っています。

取材担当者(高橋)の感想

伊與田社長から若者へのメッセージとして「責任を果たすこと」と「仕事のやりがい」という言葉をいただき、改めて食品業界の重要性を認識しました。単に製品を作るだけでなく、人々の命と心を豊かにする役割を担っているという社長の言葉には、深い愛情と誇りが込められていると感じます。就職活動を控える私たち学生にとって、仕事を通じて社会に貢献し、喜びを生み出すことの尊さを深く考えるきっかけとなる貴重なメッセージでした。

取材担当者(高橋)の感想