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世界を支える船づくりの現場。南日本造船の挑戦と誇り

2025年04月21日

株式会社南日本造船

世界を支える船づくりの現場。南日本造船の挑戦と誇り

株式会社南日本造船は、大分県に拠点を置く造船会社です。
プロダクトタンカーやばら積み船など、多種多様な船種に対応できる建造力を強みとし、「大分から世界の海へ」を合言葉に、世界経済の発展に貢献している企業です。

近年では、環境に優しい船舶の開発にも力を入れています。
今回は、南日本造船のリーダーである、代表取締役の檜垣 清志さんに、これまでの道のりや事業への想い、そして未来への展望について詳しくお話を伺いました。

<聞き手=丸山素輝(学生団体GOAT編集部)>


檜垣社長の現在に至るまでのキャリア】

私のキャリアは1993年、愛媛県の今治造船でスタートしました。
大学卒業後、現場経験を積むため香川県の丸亀工場に配属され、その後は営業として香港事務所や東京での駐在を経験するなど、多様な経験を積んで現在に至ります

幼い頃から造船業界に携わる父の姿を見て育ち、造船所や進水式を間近で見てきた事が
この道に進むきっかけとなりました。

大学時代のインターンシップで造船の現場に触れ、船が次第に形を成していく過程に大きなやりがいを感じ、「これほどまでに心を動かされる仕事はない」と強く思いました。

しかし、入社の翌年に営業部に配属された際には、物静かな性格からお客様と話すことにプレッシャーを感じることもありました。それでも、お客様とのコミュニケーションを通じて得られる経験とやりがいが、自身の成長に繋がったと振り返っています。

2018年には、南日本造船が今治造船グループの一員となり、その際に現職である社長に就任しました。当時の南日本造船は、リーマンショック以降の不況の影響を大きく受けており、厳しい経営状況にありました。

地域の雇用を守り、会社を再建するため、今治造船グループが経営を引き継ぐことになり、営業出身である私は、最初の数年間は経営と再建の責任に不安を感じつつも、従業員と共に会社の立て直しに全力を尽くしました。

社長として南日本造船を立て直す過程は、最初の3年間が特に困難でした。
不況により従業員の士気も低下しているように見受けられましたが、そのような状況を打開するため、「明けない夜はない」と励まし、失敗を恐れずに挑戦することの大切さを伝え続けました。

数年後、海運市況が好転し、受注が増加するにつれて、従業員の士気も徐々に回復し、会社は活気を取り戻しました。現在では、南日本造船は今治造船グループ内でも信頼される工場となり、そのことは私にとって大きな誇りとなっています。

取材担当者(丸山)の感想

南日本造船のリーダーのこれまでの道のりを伺い、幼い頃からの憧れを形にし、困難な状況を乗り越えてこられたことに感銘を受けました。特に、不況という逆境の中で、従業員の方々を励まし、共に会社を立て直されたエピソードからは、強いリーダーシップと従業員を大切にする想いが伝わってきました。

自身の性格的な課題を克服し、営業としての経験を積まれたこと、そしてその経験が経営者としての視点にも活かされていることは、就活生にとっても大きな学びになるのではないでしょうか。目標を持ち続けること、そして困難に立ち向かう勇気を持つことの重要性を改めて感じました!

取材担当者(丸山)の感想

【南日本造船の事業について】

南日本造船の主な事業は、多種多様な船舶の建造です。
プロダクトタンカーやばら積み船など、顧客のニーズに合わせた船を設計・建造する技術力は、長年の経験によって培われてきました。

近年では、環境問題への意識の高まりから、LNG燃料船やメタノール燃料船といった、
環境負荷の少ない次世代燃料を使用する船舶の開発にも積極的に取り組んでいます。
この取り組みは、地球環境を守る一翼を担うという強い意識の表れと言えるでしょう。

造船業界は、日本の経済活動を根底から支える重要な役割を担っています。
日本の貿易量の99.6%は船によって運ばれており、南日本造船が建造する船は、石炭や小麦、石油製品といった、私たちの生活に欠かせない資源を世界中の国々に運び、人々の生活の根幹を支えています。

このように、造船業は単に「モノづくり」を行うだけでなく世界中の人々の生活を支え、笑顔を作り出すという大きな使命を担っていると言えるでしょう。

また、技術革新も常に求められる分野であり、最新の技術を取り入れ、より安全で効率的、そして環境に優しい船づくりを目指すことが、業界全体の発展に繋がります。

南日本造船では、一隻の船を作り上げるために多くの検証と試行錯誤が繰り返されます。巨大な鋼との格闘、そしてそれに新たな息吹を吹き込む仕事は、まさに「モノづくり」の醍醐味です。

完成した船が海へ送り出されるたびに、南日本造船の技術力はさらに向上し、社員一同は大きな自信と感動を得るのです。船と共に成長を続けながら未来へと帆を進めていく姿勢が南日本造船の強みです。

取材担当者(丸山)の感想

普段、私たちが何気なく利用している資源が、船によって世界中から運ばれてきているという事実に改めて気づかされました。造船業は、人々の生活を支えるだけでなく、地球環境の未来にも貢献できる、非常に意義のある仕事だと感じました。

巨大な船を造り上げる過程には、多くの苦労と情熱が詰まっているのだと思います。「愛しい我が子を海へ送り出す」という表現には、造船に携わる方々の深い愛情が表れていると感じました。

取材担当者(丸山)の感想

【檜垣社長から学生へメッセージ】

学生の皆さんにお伝えしたいのは、「自分はこういう人間だと決めつけず、自分の枠を作らず、さまざまな経験を積んでほしい」ということです。

学生時代は可能性に満ち溢れている時期ですから、まだ見ぬ自分の可能性を制限せずに、興味を持ったものにはどんどん挑戦してください。

また、ぜひ本をたくさん読み、多様な知識や価値観に触れることで、視野を広げてください。採用面接では、スキルや経験だけでなく、相手の目を見て自分の言葉でしっかりと話せるかを大切にしています

緊張や不安があるのは当然のことですが、心からの熱意は必ず目に表れるものです。
取り繕うのではなく、自然体で自分を表現してください。南日本造船は、会社の未来を
担う人材として、熱意と可能性を持った学生との出会いを期待しています。

経営者として大切にしている事は「仲間のため、会社のため」という視点での判断です。自分の都合や利益ではなく会社や社員にとっての利益となるかを常に問いかけています。

そして、思いやりを持って接することも重要視しており、社員や協力会社、取引先の方々の立場に立って考え、痛みを理解する姿勢を忘れないよう心掛けています。
この考え方は、皆さんが社会に出る上でも重要な指針となるのではないでしょうか。

非常に普遍的で、多くの就活生にとって心に響く内容だと感じました。「自分の枠を作らない」「多様な経験を積む」「本を読んで視野を広げる」といったアドバイスは、社会に出る前の大切な準備として、ぜひ心に留めておきたいものです。

採用面接で飾らない自分を出すこと、そして常に「仲間のため、会社のため」という視点を持つことの大切さも学びました。これらのメッセージからは、南日本造船が社員一人ひとりの成長を大切にし、共に未来を築いていこうという想いが伝わってきました。

【南日本造船の未来ビジョン】

今後、私たち南日本造船は2050年に向けたカーボンニュートラルの取り組みとして、CO₂排出量の削減や新たな燃料技術の導入に挑戦していきます。

地球環境への貢献は、これからの企業にとって不可欠なテーマであり、南日本造船もその一翼を担うという強い決意を示しています。

そして、社員が安心して長く働ける環境を整えることも、重要なテーマの一つとして掲げています。将来、社員やその家族が「ここで働いてよかった」と感じられるような会社を築いていくことが、南日本造船の目指す未来です。

技術革新への挑戦と、社員を大切にする姿勢。
この二つを軸に、南日本造船はこれからも成長を続けていくでしょう。

取材担当者(丸山)の感想

環境問題への貢献と働きがいのある環境づくりは、これからの企業にとって非常に重要な要素であり、その両方に取り組む南日本造船の姿勢は、社会の一員としての責任感の表れだと感じました。

「社員やその家族が『ここで働いてよかった』と感じられるような会社を築きたい」という言葉には、温かい企業文化が表れていると感じ、将来が楽しみになる展望だと感じました。

取材担当者(丸山)の感想