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白浜から世界へ、宿泊体験を革新

2025年07月31日

株式会社オージャス

白浜から世界へ、宿泊体験を革新

XYZ スペチアーレとXYZ Seaside Resortは、和歌山県白浜町椿に位置する「ギネス認定の宿」です。この宿は、全室に日本初の電動開閉式露天風呂を備え、スタイリッシュな温泉リビングがボタン一つで海絶景の露天風呂へと変貌します。プライベートな海岸も併せ持ち、海、水平線、満天の星空、月の明かり、そして静寂の中での波の音といった自然の恵みを享受できる、他に類を見ない宿泊施設として知られています。今回は、日本初の設備と唯一無二のロケーションを掛け合わせた「ギネス認定の宿」が生まれた背景、そしてその先に描かれる未来の宿泊体験について、代表取締役社長の金田様にじっくりとお話をお伺いしました。

<聞き手=石嵜渉(学生団体GOAT編集部)>


金田様の今までの経緯・背景】

私は和歌山県の白浜という、地元で生まれ育ちました。観光地である白浜で、お客様に遊びを提供し、喜んでいただくことが楽しいと感じたのが、この宿泊事業を始めた純粋なきっかけです。滞在する人々も皆、遊びに来るわけですから、そうした場を提供することは、私にとって大変魅力的なことでした。

事業を立ち上げて以来、様々な問題や壁に直面してきました。特に印象に残っているのは、電動開閉式の露天風呂を建設した時のことです。工事が間に合わない中、オープンせざるを得ない状況となり、その結果、口コミサイトには過去最低の評価が殺到し、辛辣なコメントが続きました。この時期が最も辛かったです。

私の宿は、一般的な宿とは異なるコンセプトで運営しています。昔ながらの温泉旅館をイメージして来られたお客様には合わない可能性があり、評価が分かれる傾向があります。このミスマッチは今も最大の課題であり、約15年から20年かけて口コミ対策に取り組んでいます。しかし、オープン当初は情報が少ないため、悪い口コミが入りやすいものです。

それでも、3年ほど経てば「ここはこういう宿なのだ」という認識が広まり、落ち着いてくるということを経験してきました。最も嬉しかったのは、電動開閉式露天風呂の設置のために、物作り補助金を申請し、見事に採択された時です。当時、旅館業での採択は「限りなく0に近い」と言われましたが、妻の後押しもあり、息子と協力して書類を作成し、難関を突破しました。この経験から、どのような状況にあっても「諦めない限り必ず方法はどこかにある」ということを痛感しました

取材担当者(石嵜)の感想

金田社長の事業開始の動機が「楽しいから」という純粋なものであることに感銘を受けました。しかし、その裏には、既存の概念にとらわれず、独自の価値を追求する強い信念があると感じます。

特に、電動開閉式露天風呂の建設時の苦労と、そこから得た「諦めないことの重要性」は、これから社会に出る学生にとって大きな学びとなるでしょう。困難に直面しても、それを乗り越えることで得られる経験と自信は、何物にも代えがたい財産であると改めて感じました。

取材担当者(石嵜)の感想

【株式会社オージャスの事業・業界について】

当宿の大きな特徴は、全室に備え付けられた日本初の電動開閉式露天風呂です。pH9.8を誇る「化粧水いらずの美人湯」として知られる温泉も自慢の一つです。また、宿に直結するプライベートな海岸は、手付かずの自然からの贈り物であり、貝殻拾いや磯遊び、シュノーケリングを楽しむことができます。夏の夜には、プライベートな花火も楽しめます。全ての客室から海の景色を楽しめることも、当宿の大きな魅力です。

私たちがお客様に提供したいのは、昼間の景色だけではありません。海の向こうに広がる都会の華やかな夜景とは対照的な、静寂の中で体験する夜の海岸の景色にこそ、特別な価値が生まれると信じています。

星空や月の光、波の音に包まれて一晩を過ごす経験は、都会では味わえない貴重なものです。例えば、流れ星を温泉に浸かりながら見られるような体験は、他ではなかなかできません。顧客には Rolls-Royce でのドライブを無料提供するモニタープランもあり、これが口コミ評価の向上に繋がると期待しています。

現在の宿泊業界では、大規模な旅館から小規模で個性的な宿へと需要が変化しています。当宿は、その流れを20年以上前から捉え、独自の地位を確立してきました。お客様は、単に観光地を訪れるだけでなく、「この宿に泊まりたい」という明確な目的を持って訪れるようになっています。ロビーの豪華さよりも、滞在そのものの体験価値が重視される時代になっているのです。当宿は、そのような新しい宿泊様式を先駆けて提供していると自負しています。

取材担当(石嵜)の感想

 XYZ スペチアーレとXYZ Seaside Resortは、単なる宿泊施設ではなく、「体験」を提供する場所だと強く感じました。電動開閉式露天風呂やプライベート海岸といった施設面でのユニークさに加え、夜の景色や自然との一体感を重視する哲学は、顧客体験を深く追求する社長の情熱の表れです。これからの時代に求められる、唯一無二の価値を提供する宿泊施設のモデルケースとして、学生も大いに学ぶべき点があると感じました。

取材担当(石嵜)の感想

【金田様から学生へのメッセージ】

私の人生哲学は「いかに遊びながら一生を過ごすか」ということです。朝は弱く、目覚まし時計なしで起きられる生活がしたいと考えています。自分の好きなように、遊びながら仕事をすることで、お客様をもてなし、喜んでいただくことを目指しました。泊まる方々が遊びに来るという点で、宿泊業が最も適していると感じたのです。

偉くなりたいとか、会社に入って出世したいといった一般的な目標は、私には一度もありませんでした。それよりも、自分自身が稼ぎ、その稼いだお金でフェラーリに乗るといった、個人的な夢を実現することに価値を見出しています。仕事を通じて、自分が描いた夢を遊びのように実現していくことが私の原動力です。

学生の皆さんには、人生は一度きりだからこそ、どのように生きたいかを考えることを伝えたいです。勉強して良い会社に入り、出世していくことも一つの生き方ですが、それは「戦い」のようなものかもしれません。私自身はそうした生き方を一度もしたことがありません。

そして、何よりも伝えたいのは「絶対に諦めないこと」です。困難な状況に置かれたとしても、必ずどこかに解決策や道はあります。物作り補助金の申請が「0%に近い」と言われながらも、最終的に採択された経験は、この信念を強く裏付けるものでした。若い人々は情報発信など新たな分野で強みを持っています。年齢に関わらず、明確なビジョンと努力する意思があれば、共に働くことを歓迎します。

取材担当(石嵜)の感想

金田社長の「遊びながら一生を過ごす」という言葉は、従来の「仕事は辛いもの」という固定観念を打ち破るものであり、学生にとって新鮮な響きがあると思います。仕事と個人の夢を融合させ、それを実現してきた社長の生き方は、まさに「自分らしい生き方」の模範と言えるでしょう。特に、「諦めない限り、必ず道はある」というメッセージは、将来の不確実性に直面する学生たちに、力強い勇気と希望を与えるものだと感じました。

取材担当(石嵜)の感想

【株式会社オージャスの今後の展望】

私の目標は、「ある意味で日本一の宿」を創り上げることです。料理は人に任せる必要があるため、料理を抜きにして、電動開閉式の露天風呂やプライベート海岸といった、当宿の立地条件とユニークな設備を最大限に活かした「オンリーワンの宿」を目指しています

今後の宿泊業界の未来を考えた時、海に面した土地、特に「海にひっついた、海しか見えない景色」を持つ土地に大きな価値が生まれてくると期待しています。都会の華やかな夜景とは正反対の、静寂と自然の雄大さにこそ、人々が求める真の価値があると考えています。香港のビクトリアピークのように、景色を見下ろせる最高の場所に価値があるように、当宿のような場所に人々が魅力を感じる時代が来ると確信しています

人手不足の課題に対しては、外国人材の積極的な登用を考えています。言葉の問題はありますが、彼らの意欲と能力を高く評価しており、今後は給料が高くても、彼らを受け入れ、多様な展開を図っていきたいと考えています。採用においては、応募者が自ら働きたいと望む意欲を重視し、選ぶようなことはしません。

私は約70歳まで、あと7年ほどは現役でこの事業を続けていきたいと考えています。この独自の哲学とサービスをもって、宿泊業界全体がより面白く、多様な価値を提供できる時代になることを期待しています。

取材担当(石嵜)の感想

金田社長のビジョンは、既存の枠にとらわれず、常に新しい価値を創造しようとする意欲に満ちています。特に、自然の静寂と雄大さに「価値」を見出す視点や、外国人材を積極的に活用していく姿勢は、これからの社会で企業が生き残るためのヒントを与えてくれます。社長の「諦めない限り道はある」という言葉が、この未来への挑戦を力強く支えているのだと強く感じました。

取材担当(石嵜)の感想