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埼玉県川口市で地域密着の在宅介護サービスを提供

2025年06月03日

株式会社川口福祉サービスは

埼玉県川口市で地域密着の在宅介護サービスを提供

株式会社川口福祉サービスは、埼玉県川口市で在宅介護サービスを提供する会社です。住み慣れた我が家で介護を受けたい方の想いと、そのご家族の安心を大切にし「LAC=LIFE ALL CARE」として介護が必要な生活を楽しくサポートすることを目指しています。川口市トップクラスのケアマネージャー、ヘルパー人数を誇り、地域密着ならではの迅速な対応力が強みです。

介護保険適用サービスのほか、障害者向け介護サービスや、保険適用外のフリーケア、脳梗塞リハビリなども提供しており、幅広いニーズに対応しています。今回は、「LAC=LIFE ALL CARE」という理念のもと、地域に根ざした多様な介護サービスを展開する背景や、今後の展望について、代表取締役・藤江様にじっくりとお話をお伺いしました。

<聞き手=石嵜渉(学生団体GOAT編集部)>


【藤江様の今までの経緯・背景】

私が川口福祉サービスに入社したきっかけは、大それたものではありませんでした。この会社は義父が経営していましたが、義父が高齢で後継者がいない状況でした。以前から義父に頼まれていたこともあり、私は全く別の仕事をしながらも気にかけていたのですが、その当時の仕事がひと段落した事もあり、やってみようかなと思ったのが直接のきっかけです。

しかし、単に義父の会社だからというだけで入社したわけではありません。入社する前には、介護業界がどのようなビジネスなのか、将来性はどうなのか、そしてこの会社がどのような会社なのか、という3つの観点から客観的に調査しました。

特に介護業界については、社会貢献性が非常に高いこと、そして将来性が非常に大きいことを強く感じました。マーケットは拡大していく一方であるにも関わらず、人が足りないと言われている現状は、私たちプレイヤーにとってはまさにブルーオーシャンだと捉えました。

また、株式会社川口福祉サービスは、2000年4月1日に介護保険制度が始まったのとほぼ同時期である1999年8月に設立されており、介護保険サービスを提供する会社の中では日本でも有数の老舗です。

長年の歴史があるため、自治体との信頼関係が非常に厚いという点も、入社を決めた大きな理由の一つです。この会社であれば大丈夫だと確信し、2022年7月1日に入社しました。

取材担当者(丸山)の感想

社長のお話から、単なる事業承継ではなく、業界や会社の状況を冷静に分析された上で入社を決断されたことが分かりました。特に、ご自身の経験や知識を活かしつつ、社会的な意義や将来性も重視されている点に共感しました。

また、介護保険制度の開始時期に設立されたという会社の歴史や、自治体との信頼関係が厚いという強みを知り、地域の福祉を長年支えてこられた会社なのだと感じました。

取材担当者(丸山)の感想

【株式会社川口福祉サービスの事業・業界について】

介護業界は、高齢化が進むにつれてマーケットがどんどん拡大しています。私たちのお客さんはほぼ高齢者であり、高齢者が増えるということは私たちのお客さんが増えることを意味します。マーケット、つまりお金を払う人の集まりが増えていく一方で、プレイヤーである事業者は少ないのが現状です。

他の業界の方からは「めちゃくちゃ羨ましい」と言われるほど、競合が多い他のマーケットとは状況が全く異なります。コーヒー業界やアパレル業界、ハウスメーカーなど、多くの業界では激しい競争が繰り広げられています。どのようにしてお客様に選ばれるか、どうやって売上を伸ばすかということに各社が懸命に取り組んでいます。

しかし、介護業界は、今後30年から40年間は市場が縮小することは考えにくく、ずっと安泰であると予測しています。40年後も安泰なマーケットが他に存在するでしょうか?介護と一口に言っても、大きく分けて施設の介護と訪問介護があります。

私は施設の介護であれば、この事業をやるつもりはありませんでした。施設の介護は、大きな建物や多くの人、そして光熱費や家賃といった固定費が非常に大きく、稼働率によって収益が大きく左右される百貨店やショッピングモールのようなビジネスに近い形態です。

また、多くの施設が24時間365日稼働しているため、通常の会社に比べて多くの人員が必要となります。一方、私たちの会社は訪問介護に特化していたので、そのようなリスクが少ないと思った事も事業として引き継ぐことを決めた大きな要因でした。

取材担当(石嵜)の感想

漠然と「高齢化で介護のニーズは高まっている」というイメージは持っていましたが、社長から具体的な数字や他の業界との比較を聞き、介護業界がビジネスとしていかに将来性があり、プレイヤーにとって魅力的な市場であるかを具体的に理解できました。

施設の介護と訪問介護のビジネスモデルの違いや、訪問介護特化の強みについても、非常に分かりやすく解説していただき、業界への理解が深まりました。

取材担当(石嵜)の感想

【株式会社川口福祉サービスの今後の展望】

介護業界はマーケットが大きくなる一方で、人手不足が深刻な問題となっています。現在でも40万〜50万人レベルで人手が足りていないと言われています。介護が必要なのにサービスを受けられない「介護難民」が増加しており、これは介護業界だけの問題ではなく、社会全体にとって非常に深刻な状況です。

もしこの人手不足を解消できないと、社会全体が維持できなくなる可能性がある、という危機感を持っています。この人手不足を解消するためには、介護業界以外の人、介護未経験者に、この業界に来てもらう必要があります。つまり転職者を増やすことが不可欠です。

しかし、現在、介護業界の賃金水準が他の業界よりも低いと言われており、これが転職のハードルとなっています。会社の経営だけを考えれば従業員の賃金は低い方が利益が出ますが、それは非常に狭い視点です。

社会全体、業界全体を考えると、とにかく他の業界から見ても遜色のない水準まで賃金を引き上げなければならないと考えています。そのため、現在会社では賃上げに非常に力を入れています。賃上げを実現するためには、生産性の向上が不可欠です。

生産性を向上させるために、ペーパーレス化やDX、様々なテクノロジーの活用を進め、無駄を徹底的に省くことに取り組んでいます。今後10年から20年の間に、私のように介護をビジネスとして捉える経営者や投資家、スタートアップが「面白い」と感じてこの業界に集まってくると思っています。

そして、彼らが参入することで、業界が大きく変わるでしょう。それまでに私たちの会社がどこまで大きくなれるか、マーケットでどのようなポジションを取れるかということを、今後5年、10年で実現していきたいと考えています。

取材担当(石嵜)の感想

介護業界の人手不足が社会問題であるという点は認識していましたが、その原因が賃金水準にあること、そしてそれを解消するために賃上げと生産性向上が必要不可欠であるという社長の考えに、経営者としての視点と社会課題への強い使命感を感じました。

DXやテクノロジー活用による効率化が、業界全体の未来、ひいては社会全体の維持につながるというスケールの大きな展望に、強い刺激を受けました。

取材担当(石嵜)の感想

【藤江様から学生へのメッセージ】

若者、特に学生や20代前半の方々に向けて、やっておいた方がいいことや、社会で活躍するために必要なことについてお話しします。もちろん、たくさんあります。一番はやはり勉強しておくことだと思いますし、将来のビジョンやキャリアについて真剣に考えることも非常に重要です。

しかし、現実的には、目の前の楽しいことに夢中になったりして、なかなか将来のことまで考えられないことも多いでしょう。私たちの時代は毎週のように合コンを企画したりしていましたからね。学生時代にいくら大人から「今のうちに」と言われても、耳に入らないのは当然かもしれません。

色々とやっておいた方が良いことはありますが、それよりも、あまり将来を気にしすぎず、まず「今」に一生懸命になることも良いと考えています。ただし、一つだけ忘れてほしくないことがあります。それは、「今日という日の積み重ねが未来である」ということです。今の生活を続けていくと、どのような未来になるのか、ある程度想像できるはずです。

逆に言えば、「こんな未来を描きたい」「こんな人生を送りたい」と思うのであれば、そういった毎日を過ごす必要があるということです。私が30代になってから意識し始めたことですが、常に自分に問いかけていたのは、「今日死んでも悔いのない一日を過ごせたか」ということです。

これは吉田松陰が弟子たちに伝えた「一日一生」という言葉に通じます。一日一日があなたの人生そのものであり、当たり前に来る一日ではなく、一生だと思って一生懸命過ごしなさい、今日死んでも悔いのないように過ごしなさい、という意味だと私は捉えています。

この考え方は、高杉晋作や伊藤博文といった時代を創った人物たちにも影響を与えたと言われています。また、テクノロジーの活用についても触れておきたいです。特にAIやChatGPTのようなツールは、これからの社会では使いこなせないと仕事ができない時代になります。

社会に出る前に、大学生のうちにAIとの付き合い方を身につけておくべきです。安全で正しい使い方を習得することが重要です。それを「使うな」と言うのはナンセンスでしかありません。世の中に出ると必須スキルですから、積極的に活用してみてください。

取材担当(石嵜)の感想

学生へのメッセージとして、勉強や将来設計の大切さをお話しいただいた後に、目の前のことに一生懸命になることや「今日の積み重ねが未来」という考え方を伝えていただき、非常に共感しました。

「今日死んでも悔いのない一日を過ごす」という言葉は心に深く響きました。また、AIやChatGPTの活用が社会で必須スキルになるという話は、まさに今私たちが感じていることと一致しており、その重要性を改めて認識しました。

取材担当(石嵜)の感想

【藤江様が行っているその他の活動】

私は現在、川口福祉サービスの経営の他に、他の事業も二つ行っています。一つは、ある会社の社外取締役です。具体的な社名は差し控えますが、その会社のプロジェクトに社外取締役として関わっています。

もう一つは、シルバースターという社会人アメリカンフットボールチームの運営です。これは一般社団法人として運営しており、私は理事という立場で関わっています。こちらはビジネスというよりはライフワークとして取り組んでいます。実は、かつて私自身も選手としてプレーしていました。

これらの全く異なる活動をあえて行っているのは、私自身のポテンシャルや、意識レベルを向上させるためです。介護の仕事だけ、会社経営だけをやっていると、考えられる領域や発想、スキルが限定されてしまうと感じています。

全く違うアメフトチームの運営や、全く異なるプロジェクトに携わることで、普段使わない脳みそを使うことができ、私の認識できる領域が大きく広がっていくのを感じます。そのため、一見関連性のないように見えるこれらの活動が、介護事業の経営にも良い影響を与えていると考えています。

関連性がないからこそ、価値があると思っています。全く考えもしなかったことを考えたり、介護事業だけでは絶対に出会えなかった情報や人との繋がりを得られることが、非常に価値があると感じています。

取材担当(石嵜)の感想

本業とは全く異なる分野で活動されていることに驚きましたが、それがご自身の成長のためであり、結果として本業にも良い影響を与えているというお話に納得しました。

視野を広げることの重要性、そして異なる経験から学びを得ることの大切さを改めて感じました。社長の常に新しいことに挑戦し、学び続ける姿勢に感銘を受けました。

取材担当(石嵜)の感想