鮮コーポレーション株式会社(グループ名:V-Style)は、広島を拠点に「食」を核とした外食・小売事業を展開する企業グループです。本格回転寿司「すし辰」「すし鮮」を中心に、焼肉「カルビ屋大福」、とんかつ専門店「日刈り」、鮮魚小売「西田鮮魚店」、精肉直売「ミートファクトリー(あんずお肉の工場直売所)」など多様なブランドを運営。“炊きたて・切りたて・手握り”に象徴される手仕事と鮮度へのこだわりで、駅ビル・商業施設・ロードサイドに出店し、地域の食体験を磨いています。創業の魚屋から始まった強みを活かし、仕入れから提供までの一貫体制で品質と価格の最適化を追求。今回は、代表取締役社長・西田様に、現在地と今後の展望を伺いました。
<聞き手=石嵜渉(学生団体GOAT編集部)>
【西田様の今までの経緯・背景】

経営者である父の背中を見て、育つ中で幼いころから社長、経営者という仕事に憧れがありました。私自身、リーダシップをとって何かをするのが好きで、いつか父の会社を引き継ぐという前提でキャリアを選択してきました。
2020年、コロナ禍で社長を引き継ぎましたが、業界全体がどん底の状況の中で、逆にプレッシャーや不安というものはありませんでした。実際に経営者になると大変なことはありますが、企業経営に課題や問題を抱えるのは当然であり、だからこそ経営者としての存在価値があると捉えています。
経営において大変だと感じるのは、人の面です。業界として人材不足が大きな課題になっているというのもありますし、社員の退職に際しては会社の在り方に対して「ノー」を突き付けれているような感覚になることもあります。だからこそ、良い経営をして選ばれる会社にしていかなければいけないと思って経営しています。
取材担当者(石嵜)の感想
幼い頃から次期社長としての意識を持つように刷り込まれていたという経緯に、家業の重みと、それをポジティブに受け入れてこられた社長の覚悟を感じました。また、経営の最も大変な部分を「人の面」だと語り、社員の退職を自身の経営に対する「ノー」として受け止める姿勢から、責任感の強さが伝わってきます。

【鮮コーポレーション株式会社の事業・業界について】

現在の当社のメイン業態は回転寿司ですが、その他にも精肉店、鮮魚店、とんかつ屋など、飲食事業と小売事業を複合的に展開しています。これらの事業を通じて、お客様の多様なニーズに応えることを目指しています。しかし、人材採用においては課題を抱えています。私たちは飲食業という括りになりますが、この業種は新卒の採用でなかなか選ばれづらいという現状があります。
理想としては、今いるアルバイトの方たちが、仕事の内容や会社の雰囲気をよく理解した上で、そのまま正社員に上がってきてくれることです。知らない業界に入ってミスマッチで早期に辞めてしまうケースもあるため、アルバイトの段階で会社のことを理解してもらい、共感してもらうことが大切だと考えています。アルバイトから社員になるという流れをコンスタントに生み出すことが、現在の採用上の大きな課題です。
取材担当者(石嵜)の感想
飲食業という特性上、新卒採用が難しいという課題感は、多くの企業で聞かれる問題だと感じています。アルバイトの経験を通じて会社のことを理解した上で社員に昇格する流れは、ミスマッチを防ぐ上で最も確実な方法だと共感しました。

【鮮コーポレーション株式会社の今後の展望】

現在、私たちは飲食と小売の事業をそれぞれ独立した店舗として展開していますが、今後は、これらを複合的な一つの施設として出店できないかと考えています。この新しい複合施設の理想は、「道の駅」より普段使いができ、かつスーパーよりは特別感のあるような業態です。
単に物販や飲食があるだけでなく、広い敷地の中で発展性のあるものを提供したいという夢があります。例えば、パン屋時代のニーズに合わせた施設を増設できるように、長い時間をかけて変化・開拓し、スタッフが育てていくような施設にしていきたいと考えています。そうすることで、多くのお客様に来ていただき、そこで働くスタッフも楽しく、社会に貢献できるような新しい業態が実現できるのではないかと期待しています。また、私たちは寿司やとんかつ、焼肉といった、外国人のお客様にも需要のある業態を多く持っています。そのため、今後は海外展開も視野に入れています。香港に住んでいた経験もあり、特にアジアに魅力を感じています。
取材担当者(石嵜)の感想
