【企業紹介】ミリオナ化粧品とは
ミリオナ化粧品は、「全ての人々の感動と幸福を実現し100万年企業を目指す」という熱い思いをミッションとして掲げるOEM/ODM企業です。コスメや医薬部外品、健康食品の受託製造生産(OEM/ODM)を手掛けており、本物を追求し、モノづくりを続けています。事業内容は、研究企画、製造、生産、品質管理、営業、デザイン室、海外事業、薬事など多岐にわたります。

1. 創業の真実と「日本一への道」
私はこの会社を立ち上げた初代の社長です。会社を立ち上げたのは21歳の時でした。
創業のきっかけは、私が長男として生まれた阪本家の家業が潰れかけていたことに遡ります。父親は洗剤などを扱う同類職種の家業をしており、自宅で家族だけで作っていました。私は幼少の頃からそれを手伝っていました。長男として家業を継ぐものだと思っていたので、勉強もせずに好きなことをしながら遊んでいました。「どうせ家業を継ぐ」ぐらいに思っていました。
しかし、いざ継ごうと思った時、父親から「すぐ会社が潰れるから、お前、化粧品をやれ」と言われました。父親は、同類産業として化粧品業界がすごくよく見えたのでしょう。当時の私は21歳や22歳の男で、化粧品に興味も何もありませんでした。「化粧品なんか恥ずかしい」というぐらいの気持ちでした。主体的に動いていたわけではなく、言われるままに、わけもわからず化粧品屋を立ち上げたのが始まりです。
創業当初は、父親の会社がまだ存続している間に、その製造の釜やタンクを使いながら事業をスタートさせました。当初からマイナスにはなっておらず、利益は出ていました。父親のお客さんが、洗剤や手洗い石鹸を使っていたせいで手が荒れると、「息子のところのハンドクリーム使って」と頼む、マッチポンプのような売り方もしていました。製造設備といっても、お料理と一緒で、鍋と釜と、混ぜたら出来上がりという感覚で、本当に手作りで製造していました。父親の会社が潰れてしまった後、蓋を開けたら、とんでもない借金が私の方に勝手にされていて、驚きました。潰れた途端、私が債務者になるので、わけのわからないところからも借金を背負わされ、映画の世界、極道のような状態でした。まだ若かったので、特に何とも思わなかったのですが、周りの助け(仕入れ先さんや売り先さんなど)やご縁、そして工場を得る機会に恵まれ、なんとか借金を返しながら会社を存続させることができました。
取材担当者(木浦亮斗)の感想
阪本社長が20代という若い時期に、家業の危機という背景で会社を立ち上げられたという事実に大変驚きました。また、事業開始直後に多額の借金を負うという、想像を絶する困難に直面しながらも、周囲の助けを得て乗り越えられたというエピソードからは、社長の強い人間性や、本質的に周りの人から信頼される人柄が伝わってきました。私自身、長男として家業の鉄工業を継ぐか悩む時期があるため、「自分の人生をどう生きるのか」を問い、困難に立ち向かう社長の姿は、今後のキャリアを考える上で非常に大きな学びとなりました。


2. ナンバーワンの証。他社を圧倒する「攻めのOEM/ODM」戦略
私の会社の代では、自社ブランドはやりません。社員から自社ブランドをやりたいという声があれば、別会社を作って社長にし、バックアップはしようと考えていますが、私の代ではやらないと決めています。
なぜなら、当社はお客様のブランドを作らせていただいている立場だからです。お客様に「こうやって売ったらいいね」という情報や売り方を全部ヒアリングしながら一緒に作り上げていくのに、私たちが販売し出すと、お客さんは怖がります。うちの方が絶対安く作れるし、いいものが作れるはずだと。そうすると、情報提供や売り方の説明もできなくなります。私がお客さんであれば絶対にそんなところに出しませんし、当社からしたらそれは背信行為になると思っています。お客様との信頼関係を一番大切にするのが裏方であるOEM/ODM企業としての使命です。
当社の大きな強みの一つは、その医薬部外品の承認実績です。医薬部外品というカテゴリーがあり、化粧品と医薬品の中間に位置しています。ある一部の効能効果は表現して良いとされていますが、承認を厚生労働省から取らないといけないため、化粧品よりもハードルが高いカテゴリーです。この承認について、一般にお客様にどんどん渡せる、もしくは、お客様のリクエストで承認を取った数は、OEM業界の中で多分一番ではないかと思います。他社が取れないような承認事例なども多く持っています。
この承認取得には、申請してから3ヶ月から長くて1年ぐらい承認期間がかかります。しかし、既に承認を得ている処方があるため、お客様は大きな利便性を享受できます。一般で使える処方が既に120ぐらいあり、お客様のオリジナルを含めるとトータルで500を超えてきます。例えば、「汗を抑える」といった効能効果は化粧品では謳えませんが、医薬部外品なら可能です。今からすぐに販売したいと言っても不可能なものが、既に承認をもらっている状態です。「これならいけますよ」という処方があるので、あとは容器さえあれば、すぐに商品化できます。
また、当社には創業期から続くチャレンジ精神があります。困難な依頼でもなんとかしてやろうという人間が多かったですし、怖さも知らないから面白い。そういうチャレンジをするというのは、世の中でも割と強い方ではないかと思います。さらに、グループ会社では健康食品やサプリメント(インナービューティー)も扱っており、化粧品(アウタービューティー)と合わせて、美容と健康に関する開発・提供ができるのも強みです。
取材担当者(木浦亮斗)の感想
医薬部外品の承認を多数保有していることが、ミリオナ化粧品様のOEM事業における強力な「武器」になっていることが分かりました。この承認実績こそ、他社が簡単に真似できない専門性と技術力の結晶だと思います。また、自社ブランドを持たないという方針は、顧客への裏切りを避けるという強い信念に基づくものであり、そのまっすぐな姿勢こそが信頼を築き、結果として競争優位性になっていると感じました。様々な企業文化がある中で採用ミスマッチングを防ぐ難しさもありますが、お客様のために真摯に行動する理念や文化は、挑戦したい学生にとって非常にマッチする会社だと思います。


3. AIから人材育成へ。ミリオナ化粧品が挑む未来への課題
どこの企業もそうですが、やはり最大の課題は人材です。特に製造現場においては、毎日何種類も違う商品を切り替えながら生産するため、なかなか自動化が進みません。そうなると、ある程度人手に頼るところが大きい。現在、工場の設備は充実していますが、稼働率は6割ぐらいです。あと4割分、工場で働く人が増えれば、稼働率100%にでき、さらに売上を伸ばせます。人の採用には苦労しています。
この業界の中ではスカウトが活性化しています。当社の OEM 会社で3年ぐらい経験を積むと、様々な同業類似企業からスカウトの声がかかります。年収が100万円、200万円上がって呼ばれることもあります。最近、大手は新卒採用をせず、そうやってスカウト採用をします。そのため、ある程度育った時にスキルアップされ、他社に移ってしまうことが増えてきました。特に、工場で機械の調整や、パートさんや派遣さんを管理する側の人間など、現場を動かす人材の採用に苦労しています。
この課題に対して、私たちはAIの活用を始めています。簡単な企画書作成や処方(配合成分のリスト)出しにも利用していますが、これは化粧品レベルであればなんとかなるものです。私たちが組もうとしているのは、オープンな情報だけでなく、当社が持つ34年分の処方実績、成功事例、失敗事例といったクローズドなデータを含めて AI に学習させることです。お客様の「こういう目的の商品が欲しい」というニーズに対して最適な処方を出せるようなものを作っていこうとしています。
実際に活用しているのは、契約書関係と知財関係です。特に知財調査においては、特許庁のデータなどを AI に任せることで、従来1日かかっていた調査時間を大幅に短縮し、リスク分析を行うことが可能になりました。また、グローバル展開を考えると、国によって難しく複雑な輸出用の書類への変換作業も AI でできれば、かなり時間短縮できると構想中です。
ただ、これからの中のAI人材が全然いないのが課題です。システムを組んだり委託したりしますが、それが正解なのか、もっと良い方法があるのではないかという議論ができません。今後は AI 人材の育成と採用を考えています。
取材担当者(木浦亮斗)の感想
阪本社長のお話を通じて、ミリオナ化粧品様が、人材不足という共通の課題に直面しつつも、AIを単なる補助ツールとしてではなく、34年の実績データ(クローズドな情報)を学習させた独自の強力な経営ツールとして活用しようとしている先進性に感銘を受けました。僕自身、AIが何でも解決できる時代だと感じていますが、同社のように技術力を基盤にしながら、デジタル技術を組み合わせて課題解決を目指す姿勢には、感銘を受けました。


4. 百万年企業を目指す社長がZ世代に贈る「人脈と知恵」
私たちは、まずナンバーワンを目指します。業界の中で名前が知られる存在になるため、市場占有率10%ぐらいを超えてくると、業界内では皆が**「あ、知ってるよ」と言ってくれると思います。一般消費者は多分知らないと思いますが、業界の中でメジャーになりたい。そのため、市場占有率10%、売上高で300億円**を一つの目標に掲げています。その先にナンバーワンがあると思っています。
そこへ行くためには、やはり人の教育、訓練、成長が必要不可欠です。設備は安くて良いものがグローバルでたくさん出てきており、お金があれば買えますが、それを使いこなし、より良い方向に活用していく人材を、もっともっと厚くしていきたい。
また、海外に直接売上を取れるグローバルなビジネス展開を来年から加速させる計画です。そのため、グローバル人材も必要になっていきます。日本の化粧品産業の優位性は弱まってきています。世界で通用するクオリティと効能効果で、再度チャレンジ精神を持って世界に突っ込んでいく必要があります。
私が新卒の学生に必ず伝えているのは、「人脈作り」と「ひたすら好きなことをする(遊ぶ)」ということです。私は専門学校卒で大学に行っていないので偉そうなことは言えませんが、今でも、学生時代に学校の先生との人脈は、社会人になってからも維持しなさいとよく言います。先生方は専門分野でなくても引き出しが多く、専門分野外の知識やネタを持っています。社会人になってから困った時や迷った時に相談できる関係性を作っておくことが非常に重要です。
あとは友達です。友達もいずれそれなりの地位についたり、知識が増えたりしていきます。関係性があれば、たとえ自分が知らない異業種・異分野であっても、聞ける人がいます。人より物を知っていることは優位性があります。今は AI 全盛の時代ですが、リアルなところや肌感覚、グローバルな情報を得るためには、人と人とのつながりが欠かせません。
何でもいいから一つを突き詰めたらいい。人より何か知ったら強みになるので、旅行でも遊びでも、自分の知識として吸収できるような活動を勧めます。逆に「この業界に来たいから何を学べばいいか」と聞く学生には、一切その必要はないと伝えています。なぜなら、来てからの方が学ぶことが多いからです。
取材担当者(木浦亮斗)の感想
阪本社長からいただいた「人脈作り」のアドバイスは、私自身の活動の根幹に通じるものでした。社長の創業時、多額の借金という困難を乗り越えることができたのも、周りの人々の助け、つまり人脈があったからだと感じています。また、「人より物を知っていることは有意性がある」という言葉は、私たちZ世代がデジタルを駆使して情報を収集し、アウトプットしていく活動のモチベーションにもつながります。
