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孤独な決断と権限委譲が拓く道:但南建設 衣川社長が語る、建設業の「サービス業」化と事業継承の未来

2026年04月15日

但南建設株式会社

孤独な決断と権限委譲が拓く道:但南建設 衣川社長が語る、建設業の「サービス業」化と事業継承の未来

但南建設株式会社は、兵庫県朝来市に本社を構え、設立60年以上の歴史を持つ建設会社です。土木・建築をベースに北近畿から阪神地域まで事業を展開し、住宅建設部門「ピースホーム」やリサイクルセンターの運営など、多角的な事業を手がけています。今回は、4代目社長の衣川氏に、経営哲学や若者へのメッセージを伺いました。

銀行員から転身、不況を乗り切るための多角化経営

私はこの会社の4代目ですが、元々は婿養子としてこの事業に携わりました。前職は銀行員で、12年間勤めた後、36歳で社長に就任しました。社長になって現在27年目になります。

社長になった頃は非常に不況でした。建設業は公共事業が国の政策に左右され、特に工務店の不況がひどかったので、これはだめだと感じました。私は新しい事業を立ち上げようと考え、住宅事業やリサイクル事業など様々なことに挑戦していきました。

北近畿は少子高齢化が進み民間需要が限られるため、阪神地域へ進出を決断しました。今では仕事の7割近くが阪神地域の仕事になっており、拡大に乗り出して良かったと思っています。

取材担当者(石嵜渉)の感想

異業種からの転身で不況を乗り切り、新事業を「楽しい」と感じる姿勢に企業家精神を感じます。地域特性を踏まえた早期の大都市圏進出は、経営者としての先見性の表れです。就活生の皆さんも、環境に適応しながら新しい挑戦を楽しむ姿勢を参考にしてみてください。

取材担当者(石嵜渉)の感想

建設業は「サービス業」。人が全ての経営哲学

私は「人が全てだ」とずっと言い続けてきました。建設業は同業他社と同じようなことをしているため、勝っていくには人間力が非常に大事だと考えました。

昔、休日に家の修理を頼まれた際、担当者に「月曜日にしてください」と言われた経験があります。この経験から、建設業は24時間とは言わないまでも、すぐに対応できないとだめだと感じ、「建設業はサービス業であるべきだ」とずっと思っていました。

そのため、我々の会社は事業ごとに事業部長を置き、そこにほとんどの権限を渡しています。うちの会社は常務や専務はいません。社長と事業部長が直結しています。社員の皆さんが会社に来て、「仕事をするのが少し楽しいな」とか、「会社の仲間と会えて楽しいな」と少しでも思えるような会社にできたらなと、ずっとやってきています。

取材担当者(石嵜渉)の感想

建設業をサービス業として捉える発想の転換が印象的でした。大幅な権限委譲は、若手にも大きな裁量と成長のチャンスが与えられる環境です。責任ある仕事を任されたい就活生にとって、魅力的な組織文化だと感じました。

取材担当者(石嵜渉)の感想

少しの努力で飛び抜けられる「チャンスの時代」

どうせ人生を生きるのでしたら、豊かな人生を送った方がいいと思っています。豊かな人生とは物心両面であり、心の方は人から「自分が必要とされる」と思うことが一番大事です。

皆さんはものすごく良い時代に生まれています。我々の時代は人口が多く、受験も就職も大競争でした。しかし今は働き方改革で、皆さんが少し努力をしたら、給料も役職もすぐに上がって大きなことも任されるのです。

当社では資格取得を全額支援しています。3年目の社員が一級建築士の学校に行きたいと言ってきた際も、年間66万円の費用を会社が負担しました。熱量を持った人が諦めずに取り組んだら、きっとすぐに飛び抜けると思います。

取材担当者(石嵜渉)の感想

「チャンスの時代」というメッセージは就活生にとって励みになるはずです。多くの人がワークライフバランスを重視する今だからこそ、少しの努力で差がつきます。資格取得の全額支援など、成長を後押しする環境も魅力的です。

取材担当者(石嵜渉)の感想

ホールディングス化で描く事業継承の未来

今後のビジョンとして、一つは神戸、大阪の方に本格的に進出していきたいと考えています。今は大阪支店を出したばかりですが、人材不足という課題を抱えながらも、阪神方面の民間工事が増えているため、そちらを強化していきたいです。また、建設関連の新しい事業も漠然とですが、やっていきたいという思いがあります。

そして、この1年で最もやりたいことは、会社をホールディングス化することです。ホールディングス会社にした上で、但南建設については、社員の中から社長を選んで就任してもらう形を考えています。これは私自身の事業継承が最大の目的です。

私は60歳を過ぎましたから、企業は社員さんがいる限り続かなければなりません。事業継承をするのが社長の役目だと思うのです。私には成人した子供が2人いますが、但南建設には入れていません。だからこそ、ホールディングス化によって、新しい分野の事業にも積極的に取り組みながら、次の世代へ会社を繋いでいきたいと考えています。

今、当社は無借金経営なのですが、新しい事業をやるには資本がないとできません。ホールディングス化することで、お金も借りられるようになり、それによって新しい事業をしていくことができます。M&Aなど、他の会社を傘下に入れるようなこともやっていきたいと考えています。

取材担当者(石嵜渉)の感想

同族企業でありながら社員から次期社長を選ぶという決断は、若手社員に大きなモチベーションを与えます。企業の持続・発展を最優先に考える姿勢は、経営者としての責任感の表れです。将来の経営に興味がある就活生にとって、大きな可能性を感じる環境でしょう。

取材担当者(石嵜渉)の感想