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10月 17, 2024
【株式会社 浜佐園】持続可能な茶業、次世代に向けた挑戦
◇苦労されたこと◇
限られたリソースの中でリスクを最小限に抑えつつ、以下の点において苦労しました。
1つ目は、既存事業の成長を持続させることです。私たちは長い歴史を持つ企業ですが、時代の変化に合わせて常に進化することが求められます。
2つ目は、業界の5年後、10年後、30年後を見据えた新規事業の構築です。特に海外市場への進出や、将来の消費者ニーズに応えるための戦略的な投資を行うことは、簡単ではありません。
中小企業の事業継承者として、短期間での急成長を目指すのではなく、安定した収益基盤を持ちながらも未来に向けたイノベーションを図る難しさがあります。
◇事業内容◇
当社は1865年創業の茶メーカー兼専門商社です。主に茶葉の仕入れから製造、加工、販売までを一貫して行っており、国内外に高品質な日本茶をお届けしています。生産農家は自社農園での品質と生産性の向上に集中し、私たち茶商は各地域から多様な茶葉を仕入れ、加工を通じて、より安定した品質と価格でお客様にお届けすることを目指しています。
◇長年愛されている理由◇
時代の流れに合わせて柔軟にビジネスモデルを進化させてきたことが、150年以上の歴史を持つ理由だと考えています。浜佐園は江戸時代末期、米国への日本茶輸出から始まりました。その後、高度経済成長期にはデパ地下や路面店での小売が売上の95%以上を占めていましたが、近年ではペットボトル茶の普及により国内市場が変化し、現在は輸出が売上の半分以上を占めるようになりました。
◇学生へのアドバイス◇
若い頃から海外に出て、多様な経験を積むことが大切だと思います。私自身、高校からカナダに留学し、その後も中国やブラジルでのインターンシップを経験しました。大学卒業後は米系証券会社に新卒入社し、ニューヨーク、ロンドン、東京などで5年間勤務しました。その後、フランスのビジネススクールでMBAを取得し、日米リーダーシップ・プログラムを通じて、様々な方々との出会いから多くの学びを得ました。今後、日本国内市場の縮小が予想される中で、海外との連携やグローバルな視点はますます重要になると感じています。
◇今後の事業ビジョンや夢◇
短期的には、現在輸出している40カ国以上の市場をさらに拡大し、日本茶の魅力をもっと多くの国々に伝えていきたいです。
中長期的には、日本の茶産業全体の持続可能性を高めるために貢献したいと考えています。茶農家の高齢化や廃業が進む中、私たちも生産現場に関わりながら、日本のお茶業界の未来に向けた発展に力を注いでいきたいと思っています。